<第2回>親子2代で世に広める、木製模型の持つ魅力

ウッディジョー
木製帆船・建築模型キットの企画、製造、販売
◆目次◆
<第1回>日本唯一の木製帆船模型メーカーが拓く、ものづくりの未来
<第3回>静岡の模型業界と共に歩んだ70年。波乱万丈ストーリー
◆◇◇◇
常木はウッディジョーの傍、常木教材というも創業昭和22年の木製品メーカーの社長も務めている。
常木教材の木材がずらりと並ぶ物流センターで迎えてくれたのは、こちらを切り盛りしてる常木則男の息子、常木保宏だ。
「常木教材では約60種類の材質、サイズ構成を合わせると2500〜3000種類になる木材を揃えて全国に卸している。木材は全て時間をかけて天然乾燥しています。」
模型と同様、木材作りひとつとっても、徹底的なこだわりが光る。
◇◆◇◇
作業場の奥に陳列されたオモチャの数々が目に入ってきた。
「ウッディジョーの商品は完全スケールモデルですが、ここではあのように、自由度を持って手作り感覚が楽しめる商品も扱っています。」
「木材は100個あったら100個状況が全然違う。人間と同じで一つ一つ表情が違うから面白い。それはウッディジョーの商品においても同じです。」
商品ごとの木目の違い。経年による色味の変化。
精巧な模型でも、木だからこそ生まれる多様性が、ウッディジョーの商品の魅力だ。
◇◇◆◇
「ここは秘密基地です」と笑いながら紹介してくれたのは、ウッディジョーの精巧な商品作りを支える、レーザーカッターの機器がずらりと並ぶ部屋。
「模型の商品を開発し始める前からレーザー加工機はあったのですが、あまり業務では使っていませんでした。これをなんとか模型に使えないかと思って使い始めたのがきっかけです。」
とはいえ、部品の全てをレーザー加工機で作る訳ではない。
「全部レーザーによる抜き型でやっては面白みがない。手作業で作った部品とレーザーで作った部品を合体するところに難しさがあり、面白さがある。」
決して精巧なだけではない、木だからこその面白みを追求する姿勢がここにも現れている。
◇◇◇◆
話は息子の保宏に戻る。
「常に木なのでウッディ(木)ジョー(常)。私の名前は父がつけてくれたのですが、その木を安く(保)、広く(宏)という意味です。本当は高く広くの方が儲かるんですけどね(笑)」
そんな保宏も、木への想いは父親譲りで天下一品だ。
「例えば子供の頃ペットボトルや紙パックで作った物は残っていないけれど、木で作った物って今でも残っていたりしませんか?それが木の魂であり、パワーなんです。」
ウッディジョーの商品は作ったら終わり、ではない。
何年も変化を楽しむことの出来る木製模型の魅力を、親子二世代で伝え続けている。
(つづきます)
To be continued <第3回>静岡の模型業界と共に歩んだ70年。波乱万丈ストーリー
取材・文・写真:小縣拓馬
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