<第3回>99%が輸入品の木製玩具業界で「メイドインジャパン」の技術力を証明する

<第3回>99%が輸入品の木製玩具業界で「メイドインジャパン」の技術力を証明する

<第3回>99%が輸入品の木製玩具業界で「メイドインジャパン」の技術力を証明する

もくロック MOKULOCK

山形生まれの木のブロック

山形生まれの木製ブロック「もくロック」。伸縮しやすい木製品にも関わらず、100分の1ミリ単位で精巧に加工されたつくりによって、世界中で注目されています。

 

今回のエピソードは、「もくロック」を製造販売されている株式会社ニューテックシンセイ代表取締役社長の桒原晃さんと、開発技術課長の山岸新司さんに、「もくロック」の誕生秘話や商品に込められた思いについて語っていただきました。(全3回)

 

◆目次◆

<第1回>世界中が注目!山形生まれの木製ブロック「もくロック」誕生物語

<第2回>木材を「100分の1ミリ」で加工する、山形の超精密ブロック工場に潜入!

<第3回>99%が輸入品の木製玩具業界で「メイドインジャパン」の技術力を証明する

 

 

◆◇◇◇

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ここまでは「もくロック」が作られるまでのエピソードをお伺いしてきました。ここからは桒原さんご自身のお話をお伺いしたいと思います。

 

 

桒原:

私は三代目の社長なのですが、三人兄弟の末っ子として生まれたので自分が継ぐなんて全く思ってもいませんでした。勉強も性に合わず、実は高校も卒業していないんです(笑)

 

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ニューテックシンセイに入社される前は何をされていたんですか?

 

桒原:

高校を中退後、特に深い考えもなく設備の施工屋として働き始めました。かなり体力勝負の仕事ではありましたが、勉強よりは働く方が自分に合っていましたね。ただ、自分の親よりも年上の方々が尋常じゃない汗をかきながら働く姿を見て、「これをずっと続けるのは辛いなぁ」と感じていました。

 

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そこからご自身の将来について考えるようになったのですね。

 

 

桒原:

ちょうど18歳になって、ようやく社会の現実が見えてきた時期でしたね。そんな私を見た父が「うちで働いてみたらどうか」と声をかけてくれました。父も私と一緒に働くことになるとは思っていなかったようでしたが(笑)

 

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入社されて、どのような仕事をされていたのでしょうか?

 

桒原:

弊社の主力事業である大手メーカーさんのパソコン組み立てに従事していました。その頃は中国や台湾の方々とも一緒に仕事をする機会が多く、海外の人とやりとりする先輩たちを見て「海外の人と働くのは面白そうだなぁ」と思うようになります。もちろん英語なんて全くできませんでしたが(笑)

 

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そこから英語を勉強されたのですか?

 

桒原:

会社に在籍しながら、1年間カナダのパソコン系専門学校に留学しました。ただ行った先で日本人の彼女が出来て、全然英語を勉強しなかったんですけどね(笑)。

 

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(笑)

 

桒原:

でもこの留学を通して、「英語が話せなくても世界でやっていける」という自信がついたんだと思います。

 

◇◆◇◇

桒原:

その後、ある程度現場を任せてもらえるようになり、大手メーカーの上役の方々と直接お付き合いさせていただくことも増えたのですが、徐々に「大学を出てる人たちはやっぱり凄いな」と感じる機会が増えました。勉強していないと、会話すらままならないんです。

 

 

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そこで一つ壁にぶち当たられたのですね。

 

桒原:

はい。なので30歳の頃に、勉強し直して大検を取り、山形大学の大学院に入学しました。理工学研究科 ものづくり技術経営学専攻(MOT)という社会人向けのコースで、技術をどう経営に生かすかといったテーマで2年間学ばせていただきました。

 

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まさに「もくロック」もその学びが生かされていそうですね。

 

桒原:

在学中に「もくロック」の開発はスタートしていましたね。そして、ちょうど大学院を卒業するくらいのタイミングで社長に就任しました。

 

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現場責任者と社長とではかなり仕事内容に差があったのではないでしょうか?

 

桒原:

やはり現場にいた頃は「自分が頑張ってどうにかする」と思っていたことが、社長になると「いかにメンバーの力を楽しく引き上げるか」という仕事に変わります。その意識の違いはかなりあったかもしれません。

 

◇◇◆◇

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そして2011年に御社技術を生かして開発された「もくロック」がスタートします。

 

 

桒原:

始めた当初は「ブロックなんて何考えてるんだ!」と社内でも言われていました。共通しているのは技術だけで、顧客も市場も販路もまったく違う。ゼロからのスタートでしたが、周囲のご協力のおかげで、スタート当初から商品はかなり話題を集めることができました。

 

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この短期間で世界中で展開を広げられているのはすごいことだと思います。

 

桒原:

それも偶然のご縁のおかげですね。最初はBEAMSさんで販売させていただいていたのですが、「世界で売りたいならこの展示会に行ったらどうか?」と、教えていただいたのがパリの「メゾン・エ・オブジェ」という世界最高峰のデザイン商品見本市。ジェトロさんのご支援もあり2015年に初出展し、そこで「グリーン・アイテナリー賞」という3000社中9社しか受賞しなかった賞もいただくことができました。

 

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一気に「もくロック」が注目を浴びた瞬間ですね。

 

桒原:

その受賞から多くの方々にお声がけいただき、現在は世界30カ国で展開させていただいております。ただ、あまりに急速に広がったため、いろいろと苦労も多かったですね。。

 

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たとえばどのような苦労があったのでしょうか?

 

桒原:

おもちゃには国や地域ごとに、それぞれ安全基準が定められています。商品をその国で販売するには、規格を都度クリアしていかないといけないので、展開国が広がるたびに対応コストが増えていきました。2年くらいは自力で全世界の販売者と折衝をしていたのですが、「これは無理だ」と気づいて(笑)。ようやく直近の1年で代理店と契約して効率的な世界展開を始めたところです。

 

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たしかに直接やりとりしたほうが利益率は良いですが、その分かかる労力も相当なものがありますからね。

 

桒原:

はい。8名という小規模でやっている事業なので、売上とコストのバランスを見ながら、これからも事業として継続できるようにしていきたいですね。

 

◇◇◇◆

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では最後に「もくロック」の今後の展望についてお聞かせください。

 

 

桒原:

木製玩具の99%は輸入品だと言われています。それだけ、日本製の木製玩具は少ないのですが、我々の「もくロック」はヨーロッパを中心に世界に受け入れていただいています。山形の貴重な資源を活用すれば、世界でも戦える商品が作れる。今後も日本製の木製玩具が世界で戦えることを証明していきたいですね。

 

 

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玩具を通して、御社の技術力の高さが世界中に広まるといいですね。

 

桒原:

それでいうと、この「もくロック」は玩具の中では比較的高単価と言われる商品ですが、使っている技術はもっと高いんです。プロが見ると「この商品がこんなに安く作れるの?」と驚いていただけます。なので、もっと技術の価値が一般の方々にも伝わる商品を考えていきたいと思っています。

 

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「もくロック」きっかけで、技術と木材を掛け合わせた商品ラインナップが増えそうですね。

 

桒原:

玩具のみならず、オーディオなど、様々な業界においてチャンスはあると思っています。丸太の乾燥から完成品まで一貫してやれる木製品メーカーはそう多くはありません。木製品を軸に、技術を正しく価値として感じていただける商品を広げていきたいと思います。

 

 

◇◇◇◇

山形生まれの木製ブロック「もくロック MOKULOCK」。

 

今後も世界中にその活躍の舞台を広げていきそうです。ぜひプレゼントや木製玩具の入門として「もくロック MOKULOCK」を楽しんでみてください!きっとその技術力に感動するはずです。

 

応援します!Cheers!

 

取材・文・写真:小縣拓馬

 

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