「プラモデル界のレジェンド」が生む、木製模型の世界

「プラモデル界のレジェンド」が生む、木製模型の世界

「プラモデル界のレジェンド」が生む、木製模型の世界

ウッディジョー

木製帆船・建築模型キットの企画、製造、販売

◆◇◇◇

木製模型ウッディジョーの開発を牽引するのは、荒田茂。

 

前職のイマイ(旧今井科学)時代には『鉄人28号』や『サンダーバード』などの大ヒット作を手がけ、最後は副社長にまで上り詰めた男。言わずもがな、プラモデル界の「レジェンド」だ。

 

 

「イマイで木製模型を担当し始めたのは昭和50年頃なので、木製模型を作り始めて40年になります。」

 

イマイが倒産してしまった(2002年。ウッディジョーが木製模型事業を継承)際には、様々なメーカーからのオファーがあったそう。しかしウッディジョー常木の熱い誘いにより、木製模型を作り続けると決めた。

 

同世代が5年ほど前に定年していく中、荒田だけは今も現役バリバリ、開発の第一線で自ら商品設計を続けている。

 

◇◆◇◇

木製模型の開発は、作る建物や乗り物の資料収集を徹底的に行うことから始まる。

 

 

「今開発しているのがこの『1/75 会津さざえ堂』です。 この建物は個人の所有物なのですが、とある大学が詳細に調査しているという情報を入手し、資料をもらいにいきました。」

 

 

「図面が入手できる場合は図面をもとに設計していきます。ただし模型ですから、いかにお客さんが楽しく作れるようにアレンジできるかがポイントです。そこは開発担当者の腕の見せ所ですよね。」

 

◇◇◆◇

資料を元に作成された図面は、すぐにレーザー加工機で試作される。

 

 

「午前中に図面を書いて、午後には試作していることもあります。金型が必要なプラモデルと違って、開発期間が短いのが木製模型の良いところです。」

 

頭の中で描いた図面を立体にしてみると、修正すべき点が浮かび上がってくる。

 

 

「さざえ堂の場合、すごく荒っぽい建物に見えるんですが、実は彫刻がすごい凝ってるんです。これがウリの建物なので、ここをいかに模型として再現するか。そのまま小さくしてもかえって見栄えが悪くなる場合もあるので、そこは試作をしながらの試行錯誤です。」

 

スケールモデルとはいえ、10人の開発者が同じものを設計しても、10人とも違う商品が出来上がる。 開発担当者の個性が出るのが、模型の面白いところだ。

 

◇◇◇◆

プラモデルで圧倒的な実績を誇る荒田だからこそ、彼が作る木製模型は組みやすいことが特徴だ。

 

 

「今はレーザーカッターがあるから、木製模型の設計は案外プラモデルに近いんですよね。僕はプラモデルの設計からキャリアをスタートしているからこそ、『ぱちっ』と作り安い商品作りを心がけています。」

 

 

「木製の面白いところは自由がきくところ。プラモデルと比較するとお客さんが『自分で作った』という感覚をより味わえる。余白があるからこそ、独特の満足感が味わえます。」

 

ものづくり生涯現役。

 

 

模型作りの「レジェンド」荒田の挑戦は続く。

(おわります)

 

取材・文・写真:小縣拓馬

 

Cheer! を送る
3
「プラモデル界のレジェンド」が生む、木製模型の世界

ウッディジョー

木製帆船・建築模型キットの企画、製造、販売

ウッディジョーのエピソード