<第2回>「国産フィギュアの生産拠点」鳥取県・楽月工場立ち上げの舞台裏

<第2回>「国産フィギュアの生産拠点」鳥取県・楽月工場立ち上げの舞台裏

<第2回>「国産フィギュアの生産拠点」鳥取県・楽月工場立ち上げの舞台裏

グッドスマイルカンパニー

玩具・フィギュア・グッズの企画、開発、製造、販売

「ねんどろいど」などの大人気シリーズを軸に、フィギュア業界をトップランナーとして牽引し続ける「グッドスマイルカンパニー」。

 

今回のエピソードは、累計50万個以上出荷の大人気カプセルトイシリーズ「ぴよくる」企画担当である鳥居周平さんに、グッドスマイルカンパニーの歴史や挑戦、「ぴよくる」誕生秘話などについて<全4回>にわたって語っていただきます。

 

◆目次◆

<第1回>世界に羽ばたくトイメーカー「グッドスマイルカンパニー」の挑戦

<第2回>「国産フィギュアの生産拠点」鳥取県・楽月工場立ち上げの舞台裏

<第3回>累計出荷50万個以上。大ヒットカプセルトイ「ぴよくる」が生まれた理由

<第4回>「グッドスマイルカンパニー」を世界中の誰しもが知る世界を創る!

 

◆◇◇◇

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御社は2014年に鳥取県でフィギュア生産工場を新設されていますが、国内工場を設立された背景について少しお聞かせください。

 

▲鳥取県倉吉市にある楽月工場

 

鳥居:

弊社は創業当初から中国の工場でフィギュアを製造してきました。創業した2001年の頃は中国の人件費は安く、製造員となる人材もたくさんいたので、国内メーカーはこぞって中国に生産拠点を移管していたのです。しかし近年、中国の急激な人件費高騰などの影響もあり、商品原価が高騰し続けています。

 

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たしかに、日本中のメーカーが原価の高騰に昨今悩まされています。

 

鳥居:

特に弊社の場合はフィギュアという高度な製造技術を要する商品を扱っているため、そう簡単には工場を変えることができません。例えばフィギュアの顔を表現する際には「タンポ印刷」という技術を使いますが、微妙な表情のニュアンスを安定的に表現するにはコンマ何ミリレベルの微調整が必要になります。

 

▲フィギュアの眉毛を印刷する様子。

 

鳥居:

長年お付き合いさせていただいている工場だとしても、開発担当者は何度も工場に足を運んで、細かく打ち合わせしています。それだけフィギュア作りというのは高度な技術が土台となって成り立っているのです。

 

◇◆◇◇

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それぞれの工場に独自のノウハウが溜まっているからこそ、簡単には工場を変えられない状況になっているのですね。

 

鳥居:

はい。しかしながら、製造ノウハウの効率化は重要な課題です。そういった観点から研究開発に重きを置いた工場を鳥取県倉吉市に新設することになりました。

 

>:

今後製造を国内に移管していくというのではなく、研究開発がポイントだったのですね。

 

鳥居:

今もグッドスマイルカンパニーの商品の多くは中国の提携工場で生産している状況が続いています。お付き合いさせていただいている中国の工場は1000人規模のところもある中で、鳥取の楽月工場は100人規模という小さな工場なんです。

 

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とはいえ、100人規模まで大きくされたのはすごいことだと思います。

 

鳥居:

最初はゼロからのスタートだったので本当に大変でしたよ。。

 

 

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鳥居さんは楽月工場の立ち上げに携わられたのですか?

 

鳥居:

工場がオープンしたのが2014年の12月でしたが、私はその数ヶ月前から鳥取県に移り住んで工場の立ち上げに携わりました。

 

◇◇◆◇

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ぜひ鳥取県・楽月工場の立ち上げ話をお聞かせください。

 

鳥居:

最初は技術うんぬんの前に、ダンボールや塗料、樹脂など最低限のインフラ調達からのスタートです。もちろん人も集めなければいけないので、市や県に協力いただいて人集めもしました。

 

▲楽月工場内の様子

 

鳥居:

次にフィギュアの生産体制構築が始まります。先ほどお話しした「タンポ印刷」を例にあげると、普通のプロダクトに使われるタンポ印刷は「1色印刷」なのですが、フィギュアの瞳などを表現するには最低「8色」の印刷を正確に重ね合わせる必要があります。しかしながら8色の色をズレることなく効率的に印刷出来るような機械はそもそも日本には売っていないんです。

 

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中国にしかその機械は無いわけですね。

 

鳥居:

フィギュアを長年製造する中で中国の工場が自発的に開発したと言われています。なので、中国へ行ってタンポ印刷機の購入もやりました。しかし機械を購入しても、説明書は中国語だし使い方がさっぱりわからない(笑)。そこで、お付き合いしている中国工場の方々を日本にお呼びして教えていただいたんです。

 

>:

普段、品質チェックしている時とは逆の立場ですね。何か印象的な出来事はありましたか?

 

 

鳥居:

機械にはボタンが4つぐらいあるんですけれど、「ボタンをこの順番で何秒以内に押すと逆から印刷できる」といったような「隠しコマンド」があるんです(笑)。まさに「ブラックボックス化」されている技術を間近で体感できたのは刺激的な経験になりました。

 

◇◇◇◆

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そんな準備を経て、最初に作られたグットスマイルカンパニーとして初めての「国産フィギュア」はなんだったのでしょうか?

 

鳥居:

第1弾は「ねんどろいど 桜ミク Bloomed in Japan」でした。

 

▲ねんどろいど 桜ミク Bloomed in Japan(2015年発売)

©Crypton Future Media, INC. www.piapro.net

 

鳥居:

大々的にテレビ露出も行なったプロジェクトだったのですが、実は裏では肝心の金型調整が間に合っていませんでした。

 

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スケジュールが間に合っていない中、どのように対応されたのでしょうか?

 

鳥居:

鳥取で成型と塗装を行い、接着作業は東京本社にパーツを送って手伝ってもらうという荒技を使いました。社長も自ら接着作業を手伝うなど、まさに社員総出で間に合わせたんです。

 

 

鳥居:

おかげでなんとか発売日に間に合わせることができましたが、人手やコスト面でも本当に大変でしたね。

 

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ある意味「先行投資」ですね。

 

鳥居:

たしかに、その表現が正解ですね(笑)。今では鳥取の楽月工場も軌道に乗り、拡大しています。徐々にではありますが、次なるチャレンジに向けての準備が整いつつあるかなと思います。

 

◇◇◇◇

業界を見渡しても数少ない「国産工場」を保有するメーカー、グッドスマイルカンパニー。立ち上げの舞台裏には、数々の未知なる挑戦が隠されていました。

 

次回は、いよいよ鳥居さんが企画を担当した大人気カプセルトイ「ぴよくる」の誕生秘話に迫ります。

 

To be continued <第3回>累計出荷50万個以上。大ヒットカプセルトイ「ぴよくる」が生まれた理由

 

協力:グッドスマイルカンパニー

取材・文・写真:小縣拓馬

 

【鳥居さんが企画した「ぴよくる」紹介動画】

 

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