<第1回>ジオラマシート専門「箱庭技研」とは? ~マイコレクションに、活躍の場を与える~

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<第1回>ジオラマシート専門「箱庭技研」とは? ~マイコレクションに、活躍の場を与える~

箱庭技研

ホビー関連商品の製造

空港や道路、そして荒野に宇宙など、さまざまな景色がプリントされた模型・フィギュア展示用シート、それが「ジオラマシート」です。

極めてシンプルながら、そこにフィギュアや模型を置くだけで、グッとドラマチックになるアイデア商品。姉妹品として、組立式の飾り台「ディスプレイケースシリーズ」も用意されています。

今回はそれらの生みの親である、箱庭技研の代表・鈴木則忠さんに、お話を聞いてきました。

 

◆目次◆

<第1回>ジオラマシート専門「箱庭技研」とは? ~マイコレクションに、活躍の場を与える~

<第2回>自分の"好き"に回帰せよ!「箱庭技研」創業秘話

<第3回>ホビー界、宮城の星。「箱庭技研」が目指す未来

 

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箱庭技研の商品について、まずはコンセプトからお話しいただけますか?

 

 

鈴木:

フィギュアやプラモデル、ミニカーなど、さまざまなジャンルの立体物を、パッと置いて楽しめるというのがコンセプトです。精巧なジオラマなどは、作るのにテクニックが必要です。我々の商品はとにかく誰でも簡単に使えて、情景を楽しめるという点が、大前提ですね。

 

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主な商品ラインは、「ジオラマシート」シリーズと「ディスプレイケース」シリーズですよね?

 

鈴木:

そうです。「ジオラマシート」は、立体物を飾るための背景シートとベースシートなどで、背景とベースが一体になったものもあります。

 

▲ジオラマシートを使った例。壽屋の人気製品「フレームアームズ・ガール&ラピッドレイダーセット〈フレズヴェルクVer.〉」(税抜6,500円)を置いています。

(C)KOTOBUKIYA

 

鈴木:

ディスプレイケースシリーズは「コレクションベース」が組立式のL字型ケースで、「アクリルカバーセット」を取り付けることで完全なボックスタイプのケースになります。「ジオラマシート」をマグネットで貼り付けることもできるんですよ。

また、側面も壁になったものが「ジオラマルーム」シリーズで、こちらもアクリルカバーを追加することが可能です。他にベース以外全面がアクリルの「コレクションケース」シリーズもあります。

 

▲コレクションベースの例。底面に別売の「メタルプレート」を載せ、「OPTION マグネット」をフィギュアの足裏に貼り付ければ、片足立ちでのディスプレイが可能となります。

 

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フィギュアなどの完成品にせよ、プラモデルにせよ、簡単に情景的なシチュエーションが楽しめると?

 

鈴木:

それに、ジオラマシートは写真撮影の背景としても使っていただいていますね。航空機や艦船、フィギュア用など、地上から宇宙までシチュエーションをそろえているので。弊社ホームページの「ギャラリー」で、お客様が撮影した写真を見ていただくことができます。

 

▲先ほどの写真を情景っぽく撮影してみました。ライティングを工夫すれば、さらに臨場感が増すはず!

 

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SNSが普及した今だからこその使い方ですね。

 

鈴木:

実は、このあたりはけっこう試行錯誤しまして。当初は、背面とベースの部分を切り分けた商品だったんです。でも、それでは情景としてヘンになってしまう場合もあります。そこで、紙をカーブさせる形で自然に見えないかなと、デザインや編集をやってみたのですが、紙を曲げると光が反射する場所がどうしても出てくるんです。

 

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確かに、リアルな情景に反射している部分があると、おかしいですよね。

 

鈴木:

90度に曲げる場合はまだ目立たないのですが、ジオラマシートを地面と背景で連続して使う場合はアールを付けて曲げるのでどうしても反射が目立ちます。

 

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結局どうされたのですか? 

 

鈴木:

反射しない素材はないものだろうかと、かなり試行錯誤しました。日本中の素材メーカーさんから徹底的にサンプルを取り寄せて検証したんです。そうしたら、唯一反射しない素材がありまして、それを使って「ジオラマシートPRO」という商品を開発しました。ほら、こうやって曲げてもぜんぜん反射しないんですよ。

 

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本当だ! 紙の質が違うということなんですね。

 

▲通常のシートだと、曲がった箇所がどうしても反射してしまいますが・・・(赤丸で囲んだ部分)

 

▲ジオラマシートPROだと、反射しません。そのため、折り曲げた底面から前方の背景までが地続きのように見えます。

 

鈴木:

はい。全然反射しないんです。ですから、この上に立体物を乗せて撮影すると、地面から背景まで連続した、立体的な情景で撮影ができるんですね。

人間の2つの目で見たときは、モノが立体に見えますので(ジオラマシートが)平面だというのはすぐに分かりますが、写真は単眼ですから、一気にマジックのように、写実的になります。この素材を発見して、やっとジオラマシートも第二段階といいますか、新たなステージに進んだと思っています。

 

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反射しない素材が珍しいモノだとは、知りませんでした。貴重な素材なんですね。

 

鈴木:

この素材を見つけるのは本当に大変でした(笑)。素材メーカーさんに問い合わせをするのですが、「反射しない素材」という意図が、なかなか伝わらないんです。彼らからすれば、いわゆるマット調の素材が「反射しない」ものなんですね。

でもマット調というだけでは、反射するところは絶対発生する。「反射しない素材をサンプルに出したのに、反射すると言われても。。」「いやでも、反射はしていて」みたいな細かい会話をすることもありました。

 

そんなときに、とあるメーカーさんに行ったらすごく詳しい方がいらっしゃって、リクエストを言ったらすぐサンプルを持ってきてくれて、その場で印刷にかけてくれたんです。仕上がりを見た時は衝撃でしたね。「これだ!」と思って。本当に反射しないのでビックリしました。

 

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そんな発見もありつつジオラマシートは進化していって、次のラインナップである「コレクションベース」は、L字型の台座なんですね。ジオラマシートを磁石で取り付けられるタイプもあると。この設計は鈴木さんがされたのですか?

 

鈴木:

僕が一人でやっています。最近になって、パッケージ作業は別の人にやってもらうことになったのですが、それまでは全部一人でやってきました。L字型に組み立てたあとに、アクリルを取り付けてケースにすることもできるんですよ。ケース自体は追加で購入できるようにしています。

 

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この透明の部分ですね?

 

鈴木:

そうです。紫外線を97%以上カットするUVカットのものになっているので、色の劣化に対処しています。

 

▲組み立てはごく簡単なもの。写真の「ジオラマルーム」のように、底面、背面、側面を構成することもできます。

 

▲UVカット処理が施されたアクリルをセットすれば、そのまま展示ケースとして使用可能。

 

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磁石でジオラマシートをいろいろ交換できるのも楽しいですが、組立式なのはいいですね。動かすときに邪魔にならない。

 

鈴木:

アクリルケースって、異常に体積が増えますからね。実は、店頭に陳列いただくときもスペースがとられないので、そこも特長です。商品陳列の場所って、どのお店も限られていますから。

 

▲しまうときはこの通り。板状になってしまうのでシンプルです。

 

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「ジオラマシート」と「ディスプレイケースシリーズ」のほかには、どのような製品がありますか?

 

鈴木:

アクリルって静電気でホコリが付きやすいので、帯電防止剤も売っています。一般的な帯電防止剤は、アクリルに使用すると割れたりヒビが入ったりするものが多いのですが、当社の帯電防止剤は自社のアクリル製品に使用しても、割れたりヒビが入ったりしない原料を使用しております。ちなみに、口に入って飲んでしまっても安全な原料ですが、おすすめはしません。

 

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ホコリはケースにとって大敵ですからね。ともあれ、箱庭技研さんの商品は、ジオラマなどを作らない人でも手軽に情景が楽しめて、その後ずっと飾っておけるラインナップということですよね。

 

鈴木:

そうですね。写真を頻繁に撮られる方は、どうしてもアクリルが反射してしまって邪魔になります。不要な方も多いと思いますので、基本的にアクリルカバーは選択式にしています。展示目的に最初からアクリルカバーも欲しいという方も一定数おられますので、アクリルカバーもセットにして価格を下げた「DXセット」もラインナップしました。

現在は、ジオラマシートだけでも、航空機用、車/バイク用、艦船用など6ジャンル、ジオラマシートPROをはじめとした、サイズの違うさまざまな商品タイプを11シリーズ展開しています。コレクションベースやジオラマルームも、別売りのマグネット商品を組み合わせることで、フィギュアが片足立ちできる「メタルプレート」などを含めて3種33製品、そしてアクリルカバーセットやマルチスタンドなども展開しています。

 

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かなり製品バリエーションが多いですね! 次回は、箱庭技研の成り立ちを聞いていきたいと思います。

 

◇◇◇◇

実は、箱庭技研というのはブランド名で、会社の名前は「オートメディア出版株式会社」となっています。それは何故なのか?そして、宮城県に本拠を置く理由は?

箱庭技研誕生の裏には、鈴木さんが常に"好き"に回帰して仕事を創出していく姿がありました。ネットバブルと東日本大震災、この2つが、箱庭技研と鈴木さんのキーワードです。次回は、箱庭技研創業のストーリーに迫ります。

 

To be continued<第2回>自分の"好き"に回帰せよ!「箱庭技研」創業秘話

 

 

文:吉川大郎

取材・写真:小縣拓馬

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