<第1回>「ドラゴンホース」誕生、そして挫折からの飛躍

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ドラゴンホース

ペーパークラフト・ドール 等の製造、販売

ペーパークラフト。紙というなじみ深い素材を使い、時として人の目を見開かせるような見事な立体物を誕生させる造形手段。

そのペーパークラフトをメイン商材の1つに据え、日本ホビー市場に挑むメーカー、それがドラゴンホースです。

ペーパークラフトによるエフェクトパーツやジオラマのアクセサリーなど、独特の商品を展開するドラゴンホース。その紙にかける情熱とはどのようなものなのか、同社社長、程 凌皓(テイ・リョウコウ)さんにお話をうかがいました。

 

◆目次◆

<第1回>「ドラゴンホース」の誕生、そして挫折からの飛躍

<第2回>切り開けペーパークラフトの未来!「PEPATAMA」シリーズの真価

<第3回>新デフォルメドールボディ「PICCODO」誕生

<第4回>「紙の力を魅せてやろう」。ドラゴンホースが目指す理想形

 

◆◇◇◇

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程さんのご出身は中国なんですね。

 

 

程:

1984年生まれで、上海の出身です。日本に留学し日本で就職した後、2016年にドラゴンホースを起業しました。今は横浜に事務所を持っていまして、日本側の社員は私一人ですが、デザイナーやイラストレーター、原型師などは、中国にチームがあります。

 

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ホビー業界でペーパークラフトをメイン商材に据える会社は多くないと思うのですが、御社の場合、最初からペーパークラフトを扱っていたのでしょうか。

 

程:

はい。これは起業当初の話ですけれど、最初は2つのブランドを軸に事業を展開しようと考えていました。1つはペーパークラフト事業の「PEPATAMA(ペパタマ)」、もう1つはキャラクター雑貨をメインとする「GENESIS(ジェネシス)」です。

 

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ぜひ「PEPATAMA」の方からご説明していただけますでしょうか。

 

程:

「PEPATAMA」は、アニメ・マンガ関連のサブカルチャーマーケットに特化したペーパークラフトの専門ブランドとして位置づけました。

ペーパーと魂、2つ合わせてPEPATAMA。魂を込めた紙の造形で人々を魅了したい、という想いが込めてあります。

 

▲PEPATAMA「1/24 ペーパージオラマ BS-002 ドラム缶A」

 

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サブカルチャーに特化、ということは子供向けはあまり意識されていないのですね。

 

程:

はい、大人のため、さらにはオタクのためのペーパークラフトです。そもそも私が、大学の頃から個人的にペーパークラフトが大好きでして。

 

>:

まだ中国にいらっしゃった時代ですね。

 

程:

その頃からホビーマーケットに興味があったので、ゲームの雑誌とか、日本でいう『電撃ホビーマガジン』や『ホビージャパン』に当たる雑誌を買っていました。その付録で、よくゲームのキャラクターなどのペーパークラフトが付いていたんです。

 

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なるほど。

 

程:

それを作るのが楽しくて、途中から「これ、自分でデザインできないかな?」と思い、デザインも勉強し始めました。自分がペーパークラフト好きですから、ペーパークラフトという商材の可能性を信じています。

そして既存のサブカルチャーのマーケットの人気を借りて、もっとペーパークラフトの魅力を広げたい、と思い「PEPATAMA」をスタートしました。

 

◇◆◇◇

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雑貨ブランドの「GENESIS」はいかがでしょうか?

 

程:

GENESISでは様々なキャラクター雑貨を展開しましたが、特に「ダイナミックアイマスク」シリーズは好評でしたね。アニメキャラクターの目の部分だけをアイマスクにしたものでした。

▲真ゲッターロボ「世界最後の日」 ダイナミックアイマスク 全4種

 

ただ、他社と差別化できる商材が必要という側面もあり、雑貨よりもペーパークラフトに注力した経緯があります。

 

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差別化とおっしゃいますと?

 

程:

雑貨は競合他社も多く、似た商品も毎月何千と発売されます。他社と一線を画するような特別な商品は何かないか、と考えてたどり着いたのがペーパークラフトだったんです。

 

>:

なるほど、そこでご自分の経験が生きたわけですね。

 

程:

あとはホビー商品としてのペーパークラフトはまだ珍しいので、版権元様に申請しても他社とバッティングして許諾が下りない、ということが少ないんです。ペーパークラフトなら版権元様と安定した関係を作ることができる、と考えました。

 

◇◇◆◇

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差別化のポイントをより詳しくうかがいたいのですが、PEPATAMAにはどういう特徴があるのでしょうか?

 

程:

当初はPEPATAMAの中でも、5つにジャンルを分けて展開をしました。1つめは「PCP(ペーパー・クラフト・プロップス)」という、1/12スケールの小道具のシリーズです。

商品名としてはペーパーエフェクトというシリーズで、アニメ・マンガ的な衝撃波のエフェクトを立体化しています。フィギュア撮影用の小道具として位置づけました。

 

▲ペーパーエフェクト 爆発A アニメVer.

 

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紙の薄さや描かれた線が実にマンガっぽいですね。

 

程:

2つめは「PCM(ペーパー・クラフト・マスク)」。プロレスラーの武藤敬司さんのマスクを作ったりと、有名な方の顔をペーパークラフトで再現しています。

実はなにげないマスクにも弊社の技術をつぎ込んでいます。このマスクはどの方向から撮ってもカメラ目線になるんです。この「カメラ目線ギミック」は実用新案もとっています。

 

▲3Dなりきりペーパーマスク ワニダ。見る角度によって目線が追従してくる。

 

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これはインパクトありますね!

 

程:

3つめ以降はキャラクターをペーパークラフト化するシリーズで、サイズやデフォルメ感が異なる3シリーズを展開していました。

 

◇◇◇◆

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当初はこの展開だった、ということは現在は違う、ということでしょうか。

 

程:

はい。実はその頃から現在では大きく方針を切り替えています。というのも「PEPATAMA」と「GENESIS」それぞれに課題があったんです。

 

>:

と、いいますと?

 

程:

キャラクター雑貨の「GENESIS」に関しては先ほど説明した「差別化しにくい」という観点に加えて、当初想定していたよりも版元様とのやりとりに時間がかかり、商機を逸してしまうという課題がありました。

 

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たしかに、そこは自社ではコントロールしきれない部分ですね。ペーパークラフトの方はどのような課題があったのでしょうか?

 

程:

紙という素材に対して不安を持っている方が想定以上に多かったんです。先入観で「湿気に弱そう」とか、「破れやすそう」「紙だから安いはず」と思われていたのです。

 

>:

確かに、そういうイメージはあるかもしれません。

 

 

程:

実際はそうでもありません。特に日本の印刷技術や紙の素材の良さは世界のトップレベルです。日本の紙は湿気に強いし、耐久度も高い。また、紙だからと言って、すべての製品が安く作れるわけではありませんが、それだけの価値があるのです

 

>:

その課題を解決するために方針を切り替えたのですね。

 

程:

はい、2017年8月に方針を切り替えました。創業時は課題にぶつかるなどの挫折も味わいましたが、そこからドラゴンホースは徐々に飛躍していくのです。

 

◇◇◇◇

ドラゴンホース社の成長に向け、程さんが取った方針転換とは!?次回、ドラゴンホースの新たなペーパークラフトシリーズに迫ります。

To be continued <第2回>切り開けペーパークラフトの未来!「PEPATAMA」シリーズの真価

 

取材・文:ぬのまる

取材・写真:小縣拓馬

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