<モデリズム×マルットイズ対談②>温かみのあるロボットデザイン

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特集:フロントランナー 

ロボットらしからぬ柔らかく温かみのあるデザインで、男女問わず幅広い層のファンを開拓した「メカトロウィーゴ」。影響を強く受けたという「MAMORU」と共に、そのデザインの秘密を語っていただきましょう。

 

◆目次◆

対談① オリジナルロボットの造り方

対談② 温かみのあるロボットデザイン

対談③ ロボット作家になろう!

 

メカトロウィーゴが開拓した可能性

 

 

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メカトロウィーゴのデザインはどのように生まれたのでしょう?

 

小林:

僕は1950~60年代の丸っこい車が好きなんですが、そういう車っぽい顔のロボットを作りたいな、というのがありました。肩に車のホイールのイメージが残っていますね。

 

自分のデザインが特に優れているとか、これなら世間に受け入れてもらえるといった、自信や確信があるわけではないんです。基本的には自分の好きな形を作るだけで、それがみなさんにウケたらいいなぁと思いながら世に出してるんですね。

 

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メカトロウィーゴは子供用ロボットという設定ですね。

 

小林:

もともと私は細かい設定にあまり関心がないんですが、ロボットとかプラモデルが好きな人は「どういう設定なの?」って、文字情報を求める方が多いと思うんです。だから考えないといけないだろうなと、考えたところもあったんですね。

 

 

▲メカトロウィーゴ企画当初のスケッチ

 

チューブ1号のときに「メカトロ中部」という架空の会社が作ったロボットという設定を作ったんです。その次に作るロボットも、メカトロ中部にしたいと考えたんですが、前回お話した事情から、チューブ1号とメカトロウィーゴでは、デザインがあまり繋がりのないものになっちゃったんですね(笑)。そこでチューブ1号誕生から約50年後に作られた子供用のロボットということにしたんです。

 

デザインしながら、子供用だから親しみやすい丸いフォルムにしようとか、設定ありきで考えていたところもあったと思います。

 

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これまでにない層のファンを掘り起こした印象です。

 

小林:

とても衝撃的で、面白かったですね。特にメカトロウィーゴが千値練さんの完成品トイになってから、自由に遊んでくれる人が大勢出てきたんですよ。そういう人たちは、僕の考えた設定を全く気にしていないんです。というか、知らない人の方が多いと思います。それだけ従来のロボットプラモとかを買う人たちと違う層が、メカトロウィーゴで遊んでくれるようになったんです。

 

だから次に「メカトロチャンク」っていう新作を作ったときには、もう全長とかなにをするロボットかといった設定を決めませんでした。単純に、こういうシンプルで可愛いロボットを作りたくて、作って世に出しただけ。もう「設定は?」って聞かれる事もほぼ無くなりました(笑)。その意識の変化も面白かったですね。

 

▲メカトロチャンク

 

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SNSへの写真投稿もさかんに行われるようになりました。

 

小林:

タイミングが良かったですね。ちょうどTwitterの活気が出てきた時期で、コレを使ったネタ写真の大喜利をやってくれたんです。ネタ写真を見た人たちが、なんだコレとなって興味を持ってくれて、そこから広がっていったのかなと感じています。

 

MiZ:

カフェでメカトロウィーゴの写真を撮っている人がいるんですけど、たぶんそんなに怪しまれないんでしょうね(笑)。

 

メカトロウィーゴには「ドラえもん」などに近いキャラクター性があるように思えるんです。それでいて、個性が強すぎないところもいい。スケールモデルとしても見れるし、キーホルダーみたいなグッズとしても見れる、雑貨店にあってもおかしくないデザインです。男の人が持っていてもおかしくないし、女の人が持っていてもおかしくない。

 

そんな幅広く受け入れられるデザインが素晴らしいなと思ったので、真似したいなと(笑)。そこから生まれたのがMAMORUなんです。

 

▲MAMORUは手足が展開することで、印象が大きく変化する

 

MAMORU誕生秘話

 

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MAMORUのデザインも、独自性の高いものに感じますが?

 

MiZ:

メカトロウィーゴが頭の片隅から離れなくて(笑)。

 

真面目な話、メカトロウィーゴの存在があったからこそ、デザインに時間が掛かったんですよ。丸い目とか口が開くデザインはやりたいけど、それだとメカトロウィーゴになるよな・・・とか、なかに人がいるのも被るよな・・・とか。だから敢えて、人が乗らない無人機っていう設定にしたんです。そこは頑張って工夫して、メカトロウィーゴにならないよう考えました(笑)。

 

 

半年とか1年くらい掛かって、ようやく生まれた作品です。と言いつつ、小林さんのデザインの影響を受けてないって言うと嘘になりますよね。メカトロウィーゴが好きな層も買ってくれるようには狙ってます(笑)。

 

小林:

影響を受けましたみたいなことを、そんなに言わなくてもいいのに・・・と言うか、逆に僕だったら言わないかもしれません(笑)。これだけしっかりしたものを作れる人なら「メカトロウィーゴなんて知らないです」と言っても大丈夫なのにって(笑)。

 

それなのに「影響を受けました」って言ってくれて、有り難いというか本当に嬉しいなと感じますね。

 

MiZ:

ブランディングを考えるときにも、小林さんが仰ったような、それぞれのお客さんが好き好きに楽しんでくれるようなものを狙ってもダメだと思ったんです。それだと「メカトロウィーゴでいいじゃん!」になってしまう。

 

そこで私は、どちらかと言えば「アートトイ」として売ろうと決めたんです。7000円くらいのガレージキットを買ってもらうためには、いじってもらうより鑑賞してもらうアートトイ。だから値段設定が若干高めなんですよね。世界観もちょっとお高くとまった感じ(笑)にして、これを持っていることで、ちょっと満足感があればいいなと考えているんです。

 

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MiZさんのロボットも架空の企業が作った設定ですよね?

 

MiZ:

そのあたりの設定を、完全に固めて考えました。近未来に街を警備するシステムを展開している「ATARASY」っていう企業があって、そこが作ったプロモーション的なロボットみたいな位置づけがMAMORUです。

 

街中で活動するデザインだから親しみやすい。それでも警備するんだから、そこそこ威圧感があるとか。変形してパーツが展開する、オモチャ的な面白さとプロダクト的な形の美しさ、機能的なところを追求しています。

 

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デザインだけでなく、変形ギミックも魅力的ですね。

 

MiZ:

ギミックは大きなコンセプトとして考えています。そんな大した変形ではないんですよ。ただ大きな変化を得られるように、変形前と後で受ける印象が違うようにしています。そこを楽しんでもらえるデザインを突き詰めているんです。

 

 

パーツが収納されているときは、優しいデザイン。変形すると威圧感がある感じ。そこも警備ロボットという設定から導いています。

 

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昭和な香りを感じる曲線主体のレトロな未来デザインの印象だったので、もっとお年を召した方かと思っていました(笑)。

 

MiZ:

自分は『アーマード・コア』だとか、ハリウッド系のカッコいいメカが好きなんですが、レトロなデザインも好きなんですよ。最近のスペースXの試作ロケットもレトロフューチャー感があって、それでいていまの世代に合った腑に落ちるデザインになっている。自分はそういう方の路線で行こうと、デザインに取り込もうと思ったんです。

 

小林:

このMAMORUくんの白と黒の告知をTwitterで偶然見かけたときには「やばいのが出てきた!! メカトロ中部、潰されるか買収される!?」と思いましたね。

 

 

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デザインライン的にも、伝統ある町の小さな工場と最新ハイテク企業っていう印象ですね(笑)。

 

小林:

そうなんです。初回からすごい完成度で、こんなものを出す人が出てきたんだなという印象でしたね。卒業制作をいただいた時点ですごいなとは思ってたんですけど、より洗練されて、独自のラインを開かれたと感じました。

 

開場後に無事購入させていただいたときには、この素敵な造形物を手に入れられる喜びと、メカトロ中部が潰される!という焦りと、複雑な気持ちでしたね(笑)。

 

 

◇◇◇◇

オリジナルロボット作家として活動するおふたりが考える、ロボットのあるべき姿とは? 次回は未来のロボット作家へのアドバイスもお聞きします。

対談③ ロボット作家になろう!

 

取材・文:島田康治(TARKUS)

取材・写真:小縣拓馬

 

 

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