<第1回>「模型の世界首都・静岡」からプラモデルが届くまで

<第1回>「模型の世界首都・静岡」からプラモデルが届くまで

<第1回>「模型の世界首都・静岡」からプラモデルが届くまで

青島文化教材社

プラスチックモデルキット、トイホビーの企画・製造・販売

◆目次◆

<第1回>「模型の世界首都・静岡」からプラモデルが届くまで

<第2回>「ザ・スナップキット」プラモデル離れへの挑戦状

<第3回>「正解がない」プラモデルがもつ魅力

 

◆◇◇◇

「模型の世界首都・静岡」

 

静岡は模型メーカーの数で世界圧倒的No.1(おそらく)の模型メーカー集積都市だ。

 

この静岡の地で、模型を始めた「元祖」といっても過言ではないのが、創業90年以上を誇る老舗メーカー、青島文化教材社。模型ファンで「アオシマ」と聞けば知らぬものはいない。

 

迎えてくれたのはアオシマ勤続20年以上のベテラン、企画開発部の海野(うんの)竜介。「普段はデスクワークが多いので慣れてなくて、、」と照れながらも、会社の歴史から丁寧に説明し始めてくれた。

 

 

「創業者が民間飛行機のパイロットで、最初は木製の飛行機模型の製造・販売から始まりました。だから創業時の社名は『青島飛行機研究所』でした。」

 

創業者の青嶋次郎は、静岡市で最初の民間飛行士だった。だが飛行機を飛ばすことが出来なくなった昭和の戦時中に、尽きない大空への夢を木製模型飛行機に託して、模型の製造・販売を始めたという。

 

 

社名の青島“文化教材社”は、戦時中の教育に飛行機模型が使われたことから由来する。

 

 

「木製模型の後、プラモデルが一般的に普及して、弊社もプラモデルの方に移行していきました。スーパーカーブーム(1976~1978年頃)のあたりから、車模型の割合が多くなり、『車のアオシマ』というイメージが定着してきたんです。」

 

◇◆◇◇

いまやアオシマの模型は、車をはじめとして、キャラクターやロボットなど、多岐に渡っている。その中で、アオシマらしさはどこにあるのだろう。

 

 

「一貫して『その時に流行ってるものを商品化する』という考え方で大ヒットを創ってきました。例えば、ノーマルな車ではなく、当時流行っていたやんちゃな改造車を商品化して大ヒットしたこともあります。当時を知る方からは『シャコタンのアオシマ』とか『デコトラのアオシマ』と呼ばれたりもしますね。」

 

模型には「憧れのものが手に入る」という魅力がある。アオシマはいまも変わらず、人々の憧れを具現化し続ける。

 

「いまでも『流行っているからやってみよう』というチャレンジの風土があります。もちろん中には失敗もありますが、担当者ですら発売してみるまで売れるかわからないのが、この仕事の面白いところです。」

 

◇◇◆◇

続いて、プラモデル開発の基本的な流れを説明してもらった。

企画提案で商品化が決定した商品は、まず設計図面が作成される。

 

 

 

設計図面が問題ないかチェックした後、「原型」と呼ばれる立体物、そして「成型品」と呼ばれる、金型で製造した試作品の確認へと移っていく。

 

プラモデルは多くのパーツをお客様自身に組み立ててもらう商品のため、寸分の誤差も許されない。

 

 

「自分が小さい頃は、パーツのはまりが悪ければ、ヤスリで削ってでもなんとかして合わせる、というのが当たり前でした。でも今は技術もお客様のニーズも進化して、ちょっとでもパーツが合わないとアウトな時代。開発者としては難しい時代ですよね。」

 

「原型」では問題が無くても、金型で製造する「成型品」を組んでみると原型では見えなかった問題点が現われる、というのはよくある話。そのため、カギとなる「金型の調整技術」はプラモデルメーカーにとって命だ。

 

 

「金型の製作には何百万円ものコストがかかります。2~3,000円の商品でコスト分を回収するには、かけた費用に見合った数が売れてもらわないと赤字になる。開発にかけるコスト、売れる数量と販売価格のバランスの見極め。これが開発で一番苦労するポイントですね。」

 

「僕も何回も失敗しましたから(笑)」とつぶやきながら笑う海野。

この仕事の酸いも甘いも経験しているのだろう。

 

◇◇◇◆

完成したプラモデルは、静岡にある自社倉庫から日本全国に出荷されていく。

 

 

「答え合わせはユーザーの声を聞くしかないですよね。あとは販売店さん、問屋さんの声。そういった声を集めて分析して、次に生かしていく。この継続です。」

 

 

創業90年以上経ってもなお、答えのない模型作りの仕事。

 

今日も「模型の世界首都・静岡」から、全国のお客様の元へ。

アオシマの終わりのない「答え合わせ」は続く。

(つづきます)

 

To be continued <第2回>「ザ・スナップキット」プラモデル離れへの挑戦状

取材・文・写真:小縣拓馬

【関連動画】

 

 

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