<第2回>「ザ・スナップキット」プラモデル離れへの挑戦状

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<第2回>「ザ・スナップキット」プラモデル離れへの挑戦状

青島文化教材社

プラスチックモデルキット、トイホビーの企画・製造・販売

◆目次◆

<第1回>「模型の世界首都・静岡」からプラモデルが届くまで

<第2回>「ザ・スナップキット」プラモデル離れへの挑戦状

<第3回>「正解がない」プラモデルがもつ魅力

 

 

◆◇◇◇

はじまりは社長の大号令だった。

 

 

「今のプラモデルを作ってる世代は40代50代の方がメインになっていて、10代〜30代のプラモデル離れが進んでいます。このままいくと、アオシマ含めた他の模型メーカーに未来が無いと、何年も前から言われ続けていました。」

 

そんな状況下でも、ビジネスとして利益を見込めないからと、なかなか新しい一手に踏み出せずにいたアオシマを、社長の一言が突き動かした。

 

「『最初から売れるはずがない。続けていけばいつか必ず芽がでるから、最初は利益が出なくてもやろう。』という社長の決断でプロジェクトがスタートしました。」

 

社長の大号令のもと、2017年11月に発売されたのが「ザ・スナップキット」シリーズ。

 

 

「塗装不要・接着剤不要・お手頃価格」をコンセプトに、子供からお年寄りまで、今までプラモデルに触れてこなかった初心者層をターゲットに定めたシリーズだ。

 

◇◆◇◇

しかし、「ザ・スナップキット」が発売されるまでの道のりは、まさに喧々諤々。プロジェクト立ち上げメンバーの一人でもあった海野は当時を振り返る。

 

 

「決定事項は『低価格、作りやすい』だけでした。それ以外は任せるよと。なので、最初の会議の議題は『何やる?』でしたね(笑)」

 

作るのは車なのか、車だとしたら車種は何なのか。スケールをどうするか、どこまで再現するか、どうやってパーツを減らすか。議論は長期に渡った。

 

結果として、アオシマを代表する「車」の模型。車種はトヨタ『プリウス』・スズキ『ハスラー』という、世間的に馴染みの深い2車種に決まった。

 

「模型を買うニーズには、フェラーリ、ランボルギーニといった高級車を「どうせ買えないから模型を買う」という趣向と、「身近な車だから買う」という趣向があります。」

 

 

「最近でいうと代表的な例がサンバーのトラック。田舎でみかん箱を積んで走っていそうな(笑)。これが非常に売れたんです。」

 

誰にとっても身近な車を、低価格で作りやすいプラモデルにする。

シリーズ初期の大枠の方向性が定まった。

 

◇◇◆◇

そしてついに出来あがった商品仕様を、社長に報告する場。そこで、思わぬ一言を言われたという。

 

 

「『これでもパーツが多い。』と言われました。」

 

「いま店頭で売られているものよりも、当時はパーツが多かったんです。普段精巧なプラモデルを作ってきた担当者からすると、どうしてもここはこうしたい、というこだわりが捨てきれない部分があって。でも、その一言で、担当者も気持ちを切り替えることができました。」

 

結果的に「ザ・スナップキット」は対象年齢10歳以上。初心者の小学生でも、1〜2時間あれば完成させられる。まさにプラモデルの入門モデルといえる商品が完成した。

 

◇◇◇◆

「ザ・スナップキット」の発売後、アオシマが予想した以上の反響があったという。

 

静岡駅近くの「静岡ホビースクエア」でアオシマとしては初の小学生向け体験イベントを開催したところ、想定以上の応募が集まったのだ。

 

 

「スナップキットの定価と同じ参加費を払っていただき、僕ら開発メンバーが作り方を教える、というイベントだったのですが、過去の似たようなイベントを超えるぐらいの応募があったんです。」

 

「僕らからすると、お店によっては2割引でも商品が買える中で、定価で、しかもわざわざ来なきゃいけないのに、そんなに来てくださるとは正直思っていなくて。市内だけでなく、県外の方も来てくださりました。」

 

「ザ・スナップキット」の次の商品やイベントも鋭意企画中だ。

 

 

「現在、まだ3車種しか発売していないので、今だにこの企画の正解は出ていません。違う車種や、車以外のものを売ったらもっと売れるかもしれない。例えばホームセンターなど、今までと違う流通でも取り扱いが増やせるかもしれない。いずれにせよ、次に繋がる企画になってくれればと思っています。」

 

アオシマの「プラモデル離れ」への挑戦状。

少しずつだが未来に向けて芽を出し始めている。

(つづきます)

 

To be continued <第3回>「正解がない」プラモデルがもつ魅力

取材・文・写真:小縣拓馬

 

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