<第2回>『少女終末旅行』、キット誕生秘話。

プラッツ PLATZ
プラスチックモデルの企画・開発・輸入・販売
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接着剤を使うプラモデルを組み立てたことのない青山さんが、なぜプラッツに入社されたんでしょう?
青山:
「僕は『スタートレック』や『バットマン』といった海外映画が大好きなんです。そういったキャラクター商品を多く扱っていることに興味を惹かれました。」
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なかなかお若いのに渋いですね。
青山:
「気になる映画が公開されれば、3度も4度も観に行くような根っからの映画好きですね。」
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アニメはいかがですか?
青山:
「アニメも観ますよ。好きなアニメは、昔のアニメから最近流行りのアニメなど好きですし、子供向けから大人向けまで何でも好きですね。」
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守備範囲広いですね(笑)。
青山:
「ですね(笑)。趣味が仕事の情報収集にもつながっています。」
◇◆◇◇
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具体的な業務はどのようなことをなされていますか?
青山:
「営業を軸としながら、企画・広報にも携わっています。業務範囲は本当に幅広いですね。」
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業務の中で、プラモデルをつくるのも上手くなりましたか?
青山:
「最初に戦車をつくった時は、接着剤でドロドロに溶かしてしまうくらい初心者でした(笑)
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それは親近感が湧きます(笑)。
青山:
「店頭ディスプレイ用のサンプルを何台も組み立てる仕事をへて、気づいたら上達していましたね。やり方さえ覚えればそんなに難しいものではありません。いまでは戦車の種類もすぐに言い当てられます(笑)」
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商品企画もされているということですが、最近企画された商品をお聞かせください。
青山:
「最近企画を担当したのが、2017年に放送された話題アニメ『少女終末旅行』のフィギュアつきキットです。」
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少女・終末・旅行、ですか。
青山:
「簡単に言うと、戦争後の終末の世界で、 二人だけになってしまった少女たちが、『ケッテンクラート』という半装軌車に乗りながら新たな発見や出会いをする様を描く、終末ファンタジーアニメです。」
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わかりやすい説明をありがとうございます(笑)なんだか面白そうです。
青山:
「終末の世界なんで、登場人物も少ないんですよ。 」
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青山さんが企画の提案もされたんですか?
青山:
「はい。個人的にアニメをみて注目していて、企画立案しました。版権元様にも直接連絡して許諾をもらいにいきましたね。」
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そこまでやられるんですね。商品の概要をお聞かせください。
青山:
「メインとなる半装軌車の『ケッテンクラート』は、弊社が輸入代理をしているドラゴンモデルズさんのキットをベースに、アニメを再現する新規パーツを付け加えました。それに、新規造形で、主役であるチトとユーリのフィギュアを付属しています。」
▲ユーリのフィギュア。
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特にこだわったポイントはどこでしょうか?
青山:
「一番こだわったのはフィギュアのポーズですね。細かくて再現するには難しい仕様だったのですが、原型師さんに無理言ってお願いして作っていただきました。」
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たしかに、めちゃくちゃ細かいですね。
▲ユーリのヘルメットの凹凸とフードのもふもふ感に注目!
青山:
「ヘルメットのマークも、キットに凹凸をつけて再現していますし、フードのもふもふ感も拘りポイントですね。」
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お客様の反応はいかがでしたか?
青山:
「おかげさまで、5月の静岡ホビーショーで展示した試作品は、アニメファンの方々に非常に好評でした。また新しいお客様が楽しんでくれると嬉しいですね。」
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唐突ですが、青山さんが仕事をしていて一番嬉しい瞬間はなんですか?
青山:
「やはり展示会などで、お客様と直接交流する瞬間ですね。メーカーはどうしてもメーカー視点になりがちなので、ユーザーのみなさんが何を求めているのか知れるのが嬉しい。」
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自分の企画した商品ならなおさらでしょうね。
青山:
「はい。自分が一番最初に企画した『ガールズ&パンツァー』の商品をお客様に褒めていただいた時は、本当に嬉しかったですね。」
(つづきます)
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青山さんの目標は「自分らしい商品でお客様に喜んでもらうこと」次は一体どんな商品がとびだすのでしょうか?プラッツを牽引する若き力に、今後も注目です。
To be continued <第3回>盆栽が、プラモデルになりました。
取材・文・写真:小縣拓馬