<第1回>しあわせをデザインする会社、フェリシモ。

<第1回>しあわせをデザインする会社、フェリシモ。

<第1回>しあわせをデザインする会社、フェリシモ。

フェリシモ ハッピートイズプロジェクト

手づくりぬいぐるみイベント

手づくりが好きな人で、その名を知らない人はいない、ダイレクトマーケティング会社「フェリシモ」。

 

 

どことなく、やさしい時間が流れる神戸本社で迎えてくれたのは、手づくりキットのブランド「Couturier[クチュリエ]」グループのみなさま。20年以上にわたって続く「フェリシモ ハッピートイズプロジェクト」の現在の主要メンバーです。

 

今回のエピソードは、神田典子さん、湯本京子さん、松井世子(せいこ)さんの女性3人組に、<全5回>にわたって、フェリシモやハッピートイズプロジェクトの舞台裏について語っていただきます。

 

◆◇◇◇

>:

私は神戸出身なので、こうやって地元であたたかく迎えていただいて嬉しいです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

神田(左)・湯本(中)・松井(右):

「こちらこそ楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いいたします。」

 

>:

まず、フェリシモの沿革をお聞かせいただけますか?

 

湯本:

「はい。弊社は1965年に、現社長(矢崎和彦氏)の父である創業者(故名誉会長・矢崎又次郎氏)が、55歳で『ハイセンス』という社名で創業しました。

 

>:

すごい、50歳を超えてからの創業ですか!きっかけは何があったのでしょうか?

 

 

湯本:

「創業者が勤めていた会社の倉庫に、ハンカチの在庫がたくさんあるのに、従業員はどこで自社の商品を買えるか知らないことに気づいたそうなのです。その在庫を仕入れて販売を始めたのが創業のきっかけだと聞いています。」

 

>:

意外なきっかけですね。

 

湯本:

「ええ。ハンカチからスタートし、生活雑貨や衣料品など幅広く取り扱うようになりました。」

 

>:

なにか成長のきっかけとなったものはあるのでしょうか?

 

湯本:

「いまやフェリシモの伝統的な販売方法である『コレクション(定期便)システム』を取り入れ毎月商品をお届けするスタイルを確立したことでしょうか。」

 

>:

単に商品を売るのではなく、「会」の提案をしたんですね。

 

神田:

「そうなんです。『このペン1本がおいくら』という情報ではなくて、『こんなカラフルな楽しいペンが毎月一回届く会が、おいくらです』という形で販売したんです。単なる商品を販売するのではなく、しあわせな暮らしを買っていただく『暮らしの提案』というコンセプトで展開してきました。

 

>:

なるほど。「モノ消費からコト消費へ」と近年言われていますが、その先駆けを何十年も前から実践されてきたんですね。

 

◇◆◇◇

>:

ちなみに、1989年に社名を「株式会社フェリシモ」に変更されています。

 

湯本:

「はい。このときに現経営理念も打ち出されました。」

 

>:

どのような理念でしょうか?

 

湯本:

『しあわせ社会学の確立と実践』です。社名にも『しあわせ』な社会を創造するという思いが表現されています。社名のFELISSIMO(フェリシモ)は、ラテン語で至福という意味の『FELICITY』と、強調を表す『SSIMO』を合わせた言葉で、『最大級で最上級のしあわせ』という意味です。

 

>:

すべてにおいて「しあわせ」を目的とされているんですね。

 

◇◇◆◇

神田:

「理念が事業にあらわれている例として、私たちはカタログのことを『絵本』と呼んでいました。」

 

>:

「絵本」、といいますと、どういうことでしょうか。

 

神田:

「カタログは商品が羅列されているものですが、『絵本』には物語があり、どこから見ても世界観を楽しめますよね。弊社カタログのビジュアルも、商品を載せるだけではなく、生活のワンシーンを表現しています。眺めているだけでも、しあわせな気持ちにさせてくれる絵本のようなカタログをめざしているんです。」

 

 

湯本:

「一般的にカタログと言われるものを、書店で販売しようと考えたのは社長のアイデアで、他社に先駆けて始めたことです。それまで、カタログは無料で配るのが常識だったのに、ご購入いただくことが受け入れられたのは、お客さまにカタログを超える価値を感じていただけたのだと思います。」

 

>:

いまでも売上の大半はカタログからの注文なのでしょうか?

 

湯本:

「いえ、いまでは半分以上がWebからご注文いただいています。」

 

>:

その中でカタログをやめる、という話が出たことはありませんでしたか?

 

湯本:

「実は社内でも100%Web化を議論していた時期もありました。でも、お客さまはカタログで世界観を楽しんでくださっている。ありたい生活のストーリーをカタログでイメージして、ご注文はWebで、というお客さまも多いのです。

 

>:

やはり世界観を提案する上では、カタログのほうがやりやすい。

 

湯本:

「私たちが長年かけて培ってきた、得意とするところですから。毎回カタログ制作にあたっては、クリエイティブディレクターを中心に、関係者全員、徹底的にこだわっています。」

 

◇◇◇◆

松井:

「もうひとつ、おもしろいのが『枕詞(まくらことば)問題』です(笑)」

 

 

>:

枕詞、問題?

 

▲清楚な風情と色合いを楽しむ約7時間 「軽やか素材の色重ね 端正な表情に魅せられる つまみ細工ブローチの会」

 

松井:

「フェリシモの商品名は、形容詞や修飾語を多用してとにかく長いんです(笑)。たとえば、こちら。商品名で3行くらいあります。」

 

>:

これは長いですね(笑)

 

神田:

「昔、『清楚な女性のための』という枕詞をつけた商品が大ヒットしたんです。商品名を見ただけで、清楚な人にあこがれている多くのお客さまが買ってくださいました。」

 

>:

なるほど。「枕詞問題」も、あくまで世界観提案の手段なんですね。

 

神田:

「これでも短くなったほうですよね?(笑)」

 

松井:

「はい。でもWebだと長すぎてタイトルに入りきらないんです(笑)」

 

湯本:

「『クチュリエ』はいまも伝統的なスタイルを継承していますね(笑)」

 

>:

商品名を考えるだけでも大変そうですね・・・。

 

松井:

「大変です(笑)特に『クチュリエ』は、お客さまの体験あってのブランドなので、商品を使うことによって得られる気分を、商品名で表現できるように試行錯誤していますね。

 

◇◇◇◇

今回は、フェリシモ創業秘話から、事業に込められた想いなどについてのエピソードでした。この会社に訪問した感想を「枕詞多め」に表現すると、

 

「とにかくみんないい人 自分の好きなことを仕事にしていて『しあわせ』そうな人がいっぱい こちらも『しあわせ』な気持ちになれる会社」

 

といったところでしょうか。好きな会社が、またひとつ増えました。

 

To be continued <第2回>ハッピートイズは、世界を笑顔にしていく。

 

取材・文・写真:小縣拓馬

 

Cheer! を送る
4
ハッピートイズプロジェクト(公式)
<第1回>しあわせをデザインする会社、フェリシモ。

フェリシモ ハッピートイズプロジェクト

手づくりぬいぐるみイベント

フェリシモ ハッピートイズプロジェクトのエピソード