<第2回>ハッピートイズは、世界を笑顔にしていく。

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フェリシモ ハッピートイズプロジェクト

手づくりぬいぐるみイベント

◆◇◇◇

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まず、「フェリシモ ハッピートイズプロジェクト」の概要をお聞かせください。

 

 

松井:

コンセプトは『手づくりのぬいぐるみで世界中のこどもたちを笑顔に』です。みなさまのおうちで眠っている、着られなくなった服や思い出の布。これらから生まれた手づくりのぬいぐるみが、笑顔の親善大使として世界中のこどもたちに笑顔を咲かせていく。そんなプロジェクトです。」

 

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いつ頃スタートしたのでしょうか。

 

松井:

「1997年にスタートし、2018年で22年目です。累計で57,000体以上のぬいぐるみが集まり、これまでに57の国と地域に寄贈してきました。

 

 

松井:

「クリスマスシーズンには広報部門が主導して神戸や東京、横浜などに大きなクリスマスツリーを作って、お客さまからお送りいただいたぬいぐるみを展示しています。その後、ぬいぐるみは世界各地のこどもたちへと、NGO、NPOなどの支援団体を通じて贈られていきます。」

 

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そもそも、このハッピートイズプロジェクトが始まったきっかけはなんだったのでしょうか?

 

湯本:

「これは、会社の思いとクチュリエの担当者の思いが見事に響き合って生まれたプロジェクトなんです。もともと、会社として『単なる売り手と買い手だけの関係を超えた何かができないか』という思いがありました。これについては、社長の著書『ともにしあわせになるしあわせ』にも記載されています。」

 

 

"単なる売り手と買い手の関係だけに終わらない何かができないか、という思いが原点でした。カタログを作る際、ただフェリシモが出したい情報だけを出すのではなく、もっとお客さまの「しあわせ」につながる何かはないか、とずっと考えていました。しかも、私たちフェリシモにしかできないことを、です。"

(「ともにしあわせになるしあわせ」より引用)

 

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なるほど、「しあわせ」を追求する御社の思いが最初にあったんですね。

 

◇◆◇◇

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でもまだ「ぬいぐるみ」のコンセプトは登場していませんね。

 

 

神田:

「はい。ぬいぐるみのコンセプトができるより前に「新しい何か」の取り組みの一環として『家に眠っている10cm角の布をフェリシモに送ってください』と呼びかけたんです。そのときはまだ、集めた布を何に使うかは決まっていなかった(笑)

 

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え、まず集めちゃったんですか?(笑)

 

神田:

「はい(笑)。そうしたら3万枚も集まって。会社のワンフロアがまるごと布でいっぱいになるくらい!」

 

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さすが、すごい影響力ですね。そこから、どのようにぬいぐるみのアイディアが生まれたのでしょうか?

 

湯本:

「当時クチュリエチームにいたメンバーが神戸生まれで、95年の阪神・淡路大震災で被災した経験がありました。」

 

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なるほど。

 

 

湯本:

「大きな被害の中で多くのものを失った状況にあって、被災された方々は残された『思い出のものや写真』を大切にされていました。彼女もその当事者で『ものに思いがこもる』ことを実感したんです。灯りの消えた神戸の街に立って、クチュリエにも何かできることがあるんじゃないか、という思いを持っていました。そこで、神戸に手づくりのテディベアをたくさん吊り下げたクリスマスツリーを飾ったら、作っていただいた方々のやさしい思いがあたたかい光となって神戸の方たちの心に灯るかもしれない、と考えたんです。」

 

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手づくりが持つ価値を受けとりなおしたんですね。

 

湯本:

「その通りです。そこから、集まった布たちを、思いをこめた『手づくりのくまのぬいぐるみ』にして神戸ルミナリエ(震災を機に毎年12月に開催される祭典)の時期に飾ろう、という構想につながったんです。」

 

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そこで会社と担当者の思いが合わさったんですね。

 

湯本:

「はい。一気にプロジェクトが進み、お客さまのボランティアによって作られた1,100体の『くまのぬいぐるみ』が神戸の街を彩ったのは97年の冬でした。」

 

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話をお聞きしていると、最近流行りの「クラウドファンディング」のようなお客さま参加型コンセプトを、20年以上も前から取り組まれていたんだなと感じます。

 

湯本:

「それで言いますと、こうしたお客さま参加型の活動は、90年にスタートした、植林活動を通して将来世代に緑豊かな地球を残そうという『フェリシモの森基金』が始まりですね。」

 

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それだけ前から、売り手と買い手の新しい関係性を模索されていたんですね。

 

湯本:

「そうですね。そういった素地があったからこそ、『フェリシモ ハッピートイズプロジェクト』にも多くのお客さまが賛同してくださったんだと思います。」

 

神田:

「しかも、お金を出すだけなら誰でもできますが、わざわざ手づくりのぬいぐるみを作るプロジェクトですからね。」

 

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しかも当時はインターネットはないですもんね?

 

神田:

「超アナログですよ(笑)。呼びかける方法は、私たちがお客さまに商品をお届けする箱の中の案内物だけでした。」

 

◇◇◆◇

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率直に、このプロジェクト運営は相当大変なんじゃないかなと思います。

 

神田:

「立ち上げた年の成功は本当に努力の結晶でした。集めた布を色ごとに仕分けるにも、多くのボランティアの方々に手伝っていただいたんです。そして仕分けした布をお客さまに送って、またお客さまから送られてきたぬいぐるみを仕分けて・・・。」

 

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あぁ、大変だ・・・(笑)

 

神田:

「さすがに大変なのと、この仕組みではぬいぐるみを作ってくださる方の人数にも限りがあるので、3年目からは、布はお客さまに手配していただき、型紙と作り方のみを販売するスタイルに切り替えました。さらに、ふだんから編み物をされる方も参加できるようにと、2005年からは『編みぐるみ』タイプも登場しました。」

 

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とはいえ、充分大変そうです。

 

神田:

「大変なことでいうと、送っていただいたぬいぐるみは、贈り先のこどもたちがケガなどしないように、すべて検針しています。検針機で反応したら全部手作業でチェック。時には、抜き忘れられていた針が指にささることも・・・。」

 

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なんと、、。

 

湯本:

「つなぎ目が弱かったりすると補修もしています。」

 

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え、そこまでやられているんですか?

 

湯本:

支援物資ではなく、贈りものですからね。ひとつずつラッピングして、日本語や英語のカードを添えてお贈りしています。

 

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みなさんの魂を感じます・・・。

 

◇◇◇◆

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それだけ実行に大変なプロジェクトを、22年もの間続けてこられた原動力はどこにあるのでしょう?

 

神田:

「それはやっぱり、みんな手づくりが大好きで、手づくりのあたたかさをとても大切にしてくださっているからです。

 

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好きだから、続けられる。

 

神田:

「はい。もちろん『誰かのために』という思いはあるんですけれど、必ずしもそんな大層な思いばかりではありません。日頃から楽しんでいる大好きな手づくりで、世界のどこかの誰かを笑顔にできるってすごいことだと思いませんか?

 

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参加するのにそんなに肩肘はる必要はないんですね。

 

神田:

「そうです。震災の復興のため、という名目で始まったプロジェクトでしたが、だんだんと『自分の好きなことで、人の役に立つ、世界のこどもたちを笑顔にする』という方向性に変化していきました。だからこそ20年以上も続けてこられたんだと思います。」

 

 

湯本:

「ご自分で作られたぬいぐるみだから、ご参加いただいたお客さまにとってわが子のように思い入れがあるんです。ほんとうに一体一体みんな個性があって、かわいいんです。そんな大切なあずかりものですから、しっかりとした形で送りださないとぬいぐるみがかわいそう (笑)」

 

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手づくりだからこそ、関わる人みんなの思いがこもるんですね。

 

湯本:

「はい。展示や寄贈を全面的にサポートしていただいている広報部門など社内のメンバーの思い入れも半端ないです。みんな、お客さまの思いをしっかりとお届けしたいのです。お客さまの思いが現地に届いた証として、お贈りした際の様子を報告レポートとしてWebサイト上でお伝えするようにもしています。」

 

 

◇◇◇◇

今回は、フェリシモ ハッピートイズプロジェクト誕生のエピソードでした。

このエピソードに描かれる社員のみなさまをあらわすかのように、矢崎社長の著書『ともにしあわせになるしあわせ』は、最後、このような一節でとじられています。

 

何が飛び出すかわからない。でも、飛び出すものはみんなをハッピーにする。そんなサンタクロースのような会社でありたい。

 

To be continued <第3回>愛くるしいパンダくん、登場しました。

 

取材・文・写真:小縣拓馬

写真協力:フェリシモ

 

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