<第3回>刃研ぎ職人集団「極」とともに、究極の工具を作り続ける

ゴッドハンド
ニッパーの開発・製造・販売
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「ニパ子」によるPRはもちろんのこと、これだけの品質のニッパーを量産する体制が整ったことも、「アルティメットニッパー」がヒットする要因だったのではないでしょうか。
高橋:
そうですね。始めた当初は社長以外に誰も「アルティメットニッパー」を作れる職人がいない状況だったので、必然的に製造能力には限りがありました。社長が毎日夜遅くまで作っても、全然足りない状況でした。
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どのように生産体制をつくられたのですか?
高橋:
まずは生産と営業を完全に分業化し、社長は生産に集中する体制にシフトしました。そして、ニッパーの刃研ぎ職人専門の会社である「極(きわみ)株式会社」を立ち上げ、職人を育成する仕組みをつくったのです。
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今もすべて手作業でやられているのですね。
高橋:
はい。刃をつける部分は一つ一つ手作業で行なっています。また、極株式会社をつくったのは、製造を安定させる目的のほかに、「職人に対するリスペクト」の意味も込められています。いまどき珍しいのですが、ニッパーを作った数に比例して出来高払いで報酬が払われている会社なんです。
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それだけ、職人の皆さんがものづくりに集中できる環境をつくられたのですね。
高橋:
いまでは極も10名ほどまで規模を拡大してきて、ゴッドハンドと合わせると50名規模になりました。
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現在ではニッパー以外にも幅広くオリジナル工具を販売されています。
高橋:
そうですね。気づけばニッパー以外の商品ラインナップが大半になってきて、「ニッパーのゴットハンド」から「ホビー用ツールのゴッドハンド」というイメージになりました。
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それだけ「究極の工具」に対するニーズがあるということなのですね。
高橋:
ここ数年の傾向として、「高くても良いものを買う」というお客様が増えたのは追い風になっています。プラモデルをつくるための工具なのに、プラモデルより高いですからね(笑)
高橋:
よく問屋さんや販売店さんに「アルティメットニッパーが出てきて、お客様の客単価と、集客できる店のトレンドが変わった」と言われます。「アルティメットニッパー」が「良い工具を買う」という流れを少しでも加速することができたのかなと嬉しく思いますね。
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今後のさらなる展望をお聞かせください。
高橋:
本来、我々は「ホビー用ツールメーカー」ではなくて、「ツールメーカー」です。なので、ホビー業界だけに固執しているわけではありません。
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創業された当初は「爪切り」がメインだったとおっしゃっていました。
高橋:
そうですね。長らく開発を試行錯誤してきて、ようやくお披露目できそうなのがその「爪切り用ニッパー」です。これも凄いものが出来ているので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。
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「爪切り」を軸に、また新しい市場を開拓されていきそうです。
高橋:
我々がつくるニッパーの魅力をもっと多くの方に広めていきたい。ホビー業界だけでなく、それ以外の方々にも使っていただけるようになるのが、来年以降の目標ですね。
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最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
高橋:
我々のつくるニッパーは、一つ一つ手作りでつくられています。それだけ手間暇をかけている分、使っていただけたら確実に感動していただける自信があります。ぜひ、一度でもいいから使っていただけると嬉しいです。
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高橋さんが企画した「ニパ子」も、ますます活躍の幅を広げそうです。
高橋:
私自身が「SDガンダム」をはじめとしたプラモデルや、アニメ・ゲームにひたすらハマってきた生粋のオタクです(笑)。なので、これからもみなさんとともに、純粋にホビーを楽しみ、業界全体を盛り上げていきたいと思います。
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究極のプラモデル用ニッパー「アルティメットニッパー」のエピソード、いかがでしたでしょうか?商品を開発する「職人魂」と「オタク魂」の奇跡的な融合により生まれた大ヒット商品でした。
ぜひ皆さんも「一度使うとやめられない」ゴッドハンドの切れ味を体感してみてください。これ凄いですよ。本当に。
取材・文・写真:小縣拓馬
写真協力:ゴッドハンド
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