<第2回>人々をつなぐ、金網づくりの魅力

おりあみ/ORIAMI
世界初の金網折り紙
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<前回>は「おりあみ/ORIAMI」の開発秘話をお伺いいたしました。今回は、改めて御社についてお聞かせください。
石川:
「石川金網製作所は1922年に、金網を専門につくる会社として創業されました。今年で96年目、私で三代目になります。」
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すごい歴史ですね。どのような金網をメインにつくられているのでしょうか。
石川:
「主には、工業用の様々な粉体を振るうための機械用フィルター金網を製造しています。そのほかにも、ポテトフライを揚げるための金網や野球場のバックネットなど、金網は世の中のあらゆるところに活用されています。」
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そう言われるとたしか金網ってどこにでもありますね。日本の技術力の優位性はあるのでしょうか?
石川:
「弊社も材料は海外のものを使用していますが、最終の二次加工は国内でやっています。特に品質管理の部分で、まだまだ日本の技術ニーズは海外のお客様からも高いものがありますね。」
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御社の技術を支える職人の方々はどれくらいいらっしゃいますか?
石川:
「現在社員は35名ほどいて、半数以上が職人です。金網の加工はデリケートな作業が多いので、長年働くベテランを中心に開発していますね。」
石川:
「たとえば、これは金網の癖をとる作業です。ひとつひとつ手作業で確かめていきます。」
石川:
「金網は用途や金属の素材などによって、それぞれ微妙な調整が求められます。あまり世の中には知られてないんですが、金網の世界はとても奥が深いんです。」
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そういった企業向けの金網製造をされる中で、そもそもなぜ折り紙のような一般向け商材を開発し始めたのでしょうか?
石川:
「これはどこの製造業向けメーカーでもそうですが、リーマンショックや東日本大震災のような時期には、クライアントの業績も低迷してしまうため、どうしても仕事が減ってしまいます。」
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なるほど。クライアント依存からの脱却が必要だったということでしょうか。
石川:
「そうですね。やはり自社製品を開発しないと駄目だろということで、折り紙以外にも、文房具やバックなど様々なものを研究開発しました。そのうちで商品化に至った一つが、たまたま折り紙だったんです。」
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『おりあみ/ORIAMI』で開発された金網は、折り紙としての用途を超えて注目されているそうですね。
石川:
「はい。『おりあみ』を見て、『これだったらこういった用途にも使えるのでは』と企業様からお声がけいただくこともあります。たとえば建材として使いたいというお声もあります。ようやく広がりが出てきたので、このまま継続していきたいですね。」
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最後に、金網に懸ける想いをお聞かせください。
石川:
「『一目の網は以って 鳥を得べからず』ということわざが中国にあります。網の目ひとつだけでは鳥は捕まえられない。網の目が繋がりあって、ネット状になることで初めて鳥は捕まえられる。これは、『一人では物事はできないけれど、色々な人とのネットワークをいかせば出来るようになる。』ということを意味しています。」
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なるほど。様々な人との協力が大切だと。
石川:
「はい。私はこの言葉をポリシーとして、ものづくりでも様々な方々と連携しています。金網というのは、元来生活には欠かせない大切なものですが、金網をつくることで大切なネットワークづくりにも繋げたいなと思います。」
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金網が、人々をつなぐ。素敵ですね。
石川:
「ほとんどの人は『金網づくり』という仕事の存在すら知らないですよね。『おりあみ/ORIAMI』などの自社製品をきっかけに、少しでも『金網づくり』の魅力を伝えていければなと思っています。」
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世界初の金網の折り紙「おりあみ/ORIAMI」のエピソード、いかがでしたでしょうか。
実はわたしたちの生活に深く根付く「金網」。そして実は奥が深い「金網づくり」。
誰でも楽しめる「おりあみ/ORIAMI」で、金網の魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか。応援します!Cheers!
取材・文・写真:小縣拓馬
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