<第3回>夢は「航空幼稚園」設立?エアロベースが模型で拓く未来

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<第3回>夢は「航空幼稚園」設立?エアロベースが模型で拓く未来

エアロベース

模型キットの企画開発・卸売

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岩見さんがものづくりをする上で、こだわっているポイントをお聞かせください。

 

 

岩見:

一番は「本物に対する尊敬」ですね。エッフェル塔ならギュスターヴ・エッフェルさんをはじめとした設計者たち、ライトフライヤー号ならライト兄弟に対する尊敬です。

 

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本物が無ければ模型は成り立ちません。

 

岩見:

その通りです。もしライト兄弟がいま生きていたとして、「航空ショーでお前の模型を売りたい」と言ってもらえるかどうか。自分がライト兄弟になったような意識で常にものを作っています。逆に言うと、売れるからという理由だけで私が尊敬できないものを模型にすることはできません。

 

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その尊敬は、模型を作る人にも伝わりそうです。

 

岩見:

以前、「日本最初の飛行機考案」で有名な二宮忠八のカラス型飛行器を設計していたときは、あまりにも本人になりきっていたので、「まるで二宮忠八さんみたい」と言われたほどです(笑)

 

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それはすごいですね(笑)

 

岩見:

模型を作ってくださるお客様には、「本物」を作った人の功績に興味を持っていただきたいと常々思っています。以前、「飛行船に興味は無かったけど、エアロベースの模型を作ったら飛行船が好きになって、一生の趣味が出来た」と言ってくださる方がいて、本当に嬉しかったですね。

 

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模型にはそんな力があるんですね。

 

岩見:

F1が日本でほとんど認知度が無い時代に、タミヤがF1の模型を発売したのですが、それをきっかけにF1や車が好きになった日本人って結構多いと思うんです。私もそうでしたから(笑)。そういった影響力が模型メーカーにはあるんじゃないかなと思っています。

 

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エアロベースはイベントも積極的に実施されています。

 

岩見:

おかげさまで夏休みや正月休みは毎週のようにイベントに呼んでいただけるようになりました。今までに8,000名以上の方とお会いしてきました。

 

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すべて岩見さんご自身が取り仕切っているのですか?

 

岩見:

すべて私が同行するということを条件に実施しています。幼稚園児から80歳の高齢者まで、あらゆる人たちが楽しい時間を過ごせているかどうかは、設計者の私だからこそ感じられる部分があるからです。

 

 

岩見:

たとえば、4歳の男の子がイベントに参加してくれたときのことです。親御さんが「お前にはまだ早い」と止める中、彼は「やってみなきゃわからない!」と挑戦してくれました。私は彼がそう言った瞬間に出来るだろうなと確信しましたし、実際に生まれて初めてナイフやピンセットを触ったのに1時間で見事に模型を作ることができました。

 

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設計者以外の大人が止めてしまうところでも、岩見さんがいたからこそ挑戦し、達成することができた。

 

岩見:

そうですね。きっとその少年は人一倍「作る喜び」を感じてくれたのではないかなと思います。なので、こればかりは他の人に任せられないなぁ、と思って続けていきたいですね。

 

◇◇◆◇

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少し話が変わるのですが、会社HPに「将来、航空幼稚園を作る」と記載があったのが気になりました。

 

岩見:

それはエアロベースとは関係が無いのですが、48歳の時に「竹ひご飛行機」に人生で初めてチャレンジして、全然飛ばなかったんです(笑)

 

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これまで模型の飛行機を作り続けてきたのに、ですか。

 

 

岩見:

はい。これまで飾り物の模型のプロとしてやってきたのに、模型飛行機を飛ばす技術は別ものなんですよ。そこからすっかりハマって、たくさん作って飛ばして研究しています。

 

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その経験が「航空幼稚園」の構想につながるのですか?

 

岩見:

「飛ぶ」模型飛行機づくりの奥は深く、ものづくりのありとあらゆる要素が詰まっています。構造や寸法、重量、工作技術、気象など、あらゆる条件を勉強する必要があります。

 

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それはたしかに教育にいかせそうです。

 

岩見:

実際に、文科省が過去に「模型航空カリキュラム」の導入を検討していた時の本を見つけました。そのカリキュラムによると、8年教育で模型飛行機を作っていけば、飛行機の仕組みなどがわかるようになるのです。同様のカリキュラムが1930年代のアメリカにも存在していました。これを現代に持ち込めば面白いのではないかと思ったんです。

 

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それはたしかに面白そうです!

 

岩見:

私はスポーツと同じで、始めるのは早いほうがいいと思っています。きっかけを幼稚園で与えることができれば、あとは好きな子は勝手に勉強するでしょう。普通の幼稚園の機能は持ちつつも、特別カリキュラムとして模型航空を教える。模型飛行機を飛ばす過程で原っぱを走り回って体力をつけ、機体の部品名は英語で教える。そんな幼稚園を夢見ています。

 

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スペースがある和歌山ならではの学校になりそうですね。

 

岩見:

「ワカヤマの航空幼稚園に入ればNASAに行くきっかけになる」くらいまで評判が上がれば、和歌山に移住してくださる方や留学生が出てくるかもしれない。土日に「空」を解放すれば、和歌山が航空教育のメッカになれるかもしれないですね。現在の航空産業の街も、元は何もなかったところですから。

 

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では最後に、読者の方々にメッセージをお願いいたします。

 

 

岩見:

20年前からずっとワークショップをやってきたおかげで、初期に遊んでくれた子供たちが大人世代になってきています。私のワークショップで興味を持って、工業専門学校に進学した人もいます。もしその方が自分の子供を連れてイベントに来てくれたら、「やればできるよ」と子供の背中を押してくれるのではないでしょうか。

 

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子供たちの「ものづくり」の成功体験が広がっていきますね。

 

岩見:

チャンスはどこにでもあります。ほんのちょっとのきっかけでそれに飛び込めば、子供たちの可能性は無限です。子供に限らず、男女問わず、これからも出来るだけ多くの方達に「作る喜び」を伝える努力を続けていきたいですね。

 

 

岩見:

「楽しまなきゃ」という言葉は自分がなかなか出来ていないんですけどね(笑)。私自身も楽しく、お客様も楽しめる、そんな商品を作り続けていこうと思います。

 

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エアロベースのエピソード、いかがでしたでしょうか?

 

最後は「航空幼稚園」という素敵なコンセプトまで登場しました。これからも、エアロベースの商品から目が離せませんね。応援します!Cheers!

 

取材・文・写真:小縣拓馬

 

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