<第2回>木材を「100分の1ミリ」で加工する、山形の超精密ブロック工場に潜入!

<第2回>木材を「100分の1ミリ」で加工する、山形の超精密ブロック工場に潜入!

<第2回>木材を「100分の1ミリ」で加工する、山形の超精密ブロック工場に潜入!

もくロック MOKULOCK

山形生まれの木のブロック

山形生まれの木製ブロック「もくロック」。伸縮しやすい木製品にも関わらず、100分の1ミリ単位で精巧に加工されたつくりによって、世界中で注目されています。

 

今回のエピソードは、「もくロック」を製造販売されている株式会社ニューテックシンセイ代表取締役社長の桒原晃さんと、開発技術課長の山岸新司さんに、「もくロック」の誕生秘話や商品に込められた思いについて語っていただきました。(全3回)

 

◆目次◆

<第1回>世界中が注目!山形生まれの木製ブロック「もくロック」誕生物語

<第2回>木材を「100分の1ミリ」で加工する、山形の超精密ブロック工場に潜入!

<第3回>99%が輸入品の木製玩具業界で「メイドインジャパン」の技術力を証明する

 

 

◆◇◇◇

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今回は「もくロック」製造の裏側をお聞きしたいと思います。まずはどのような工程から製造がスタートするのでしょうか?

 

 

山岸:

まずは弊社のほうで丸太を購入します。流通している木のほとんどは針葉樹ですが、我々はときおり混ざっている広葉樹を取り置きしてもらって仕入れています。

 

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丸太の購入から自社でやられているのですね!広葉樹にこだわる理由はなんなのでしょうか?

 

山岸:

針葉樹を「もくロック」の薄さに加工すると、遊んだ際に強度不足で割れてしまうからです。あとは、山形県の森には比較的広葉樹が多いという理由もあります。

 

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「もくロック」はすべて地元・山形の木材を使用しているとお伺いしました。

 

山岸:

そうですね。地元の木を使うというコンセプトなので、逆に言うと木の品目に決まりはありません。現在通常サイズの「もくロック」に使用しているのは「桜・サクラ」「朴・ホオ」「楓・カエデ」「四手・シデ」「樺・カバ」「欅・ケヤキ」の6種類で、商品にはランダムに入っています。

 

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ランダムに入っている木の品目を当ててみるのも楽しそうですね。

 

山岸:

「桜・サクラ」だとほのかに桜の香りが楽しめるんですよ。基本的に自生している木で、かつ一般では流通しないような曲がった木や細い木しか使っていないため、仕入れられる量にばらつきがあります。ぜひ木の品目からも山形の自然を感じていただきたいですね。

 

◇◆◇◇

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仕入れた丸太は、次にどのように加工していくのでしょうか?

 

 

山岸:

まず40cmの長さに切り、格子状に並べて数ヶ月乾燥させます。この工程が最も重要な「もくロック」のノウハウとなります。

 

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「乾燥」が最も重要なのですか?

 

山岸:

「もくロック」がブロックとして心地よい組み合わせを実現するためには、「100分の1ミリ」の加工精度が求められます。しかし、木材の含水率にムラがあると、一定期間経ったあとに変形してしまい、その精度が保てなくなってしまうのです。

 

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高精度が求められるブロックならではの工程なのですね。

 

山岸:

ブロックが遊ばれる環境はお客様によって異なります。どんな環境下でも楽しく遊んでいただくためには、この乾燥工程を正確に実施することが欠かせません。ここまで手間ひまかけて乾燥させるのは、普通の木製玩具では無いでしょうね。

 

>:

どのように乾燥工程をコントロールされているのでしょうか?

 

山岸:

木材は品目や生えていた場所、芯側と外皮側など、様々な要素によって乾燥の進行具合が異なります。なので含水率計で1本1本、すべて計測しながら乾燥させています。早い木で3ヶ月、長くかかる場合だと8ヶ月も乾燥工程に費やしています。

 

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ものすごい手間ひまをかけられているのですね。

 

山岸:

さらに、乾燥し終わった後に、逆に水分を与えて膨らませるという作業も行なっています。

 

>:

せっかく乾燥させたのに、また水分を与えるのですか?

 

山岸:

はい。木は端の方から乾燥して行くため、木片の中心部分と端部分では含水率に差ができてしまいます。そのため、含水率が下がりすぎた端部分に水分を与えて、木片内の含水率を一定にする必要があるんです。この工程も1〜2ヶ月かけてやっていきます。

 

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これだけの工程を、木材加工の経験もない中で独自で編み出されたのはすごいことです。

 

山岸:

「100分の1ミリ」精度を達成するために必然的にこうしないといけなかった、という感じでしたね。経験がないからこそ、業界の常識には無い独自のノウハウを構築することができたのかもしれません。

 

◇◇◆◇

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さて、いよいよ加工の段階です。

 

山岸:

まずは自動かんな機で四角い状態にしていきます。この時点でも削り残しがひと目で見えるよう、木に色をつけて、色がついた部分を削るようにしています。

 

 

山岸:

四角く削ったのちに、丸ノコで輪切りにしていきます。なお、この工程で出たおがくずは、全て近隣の養豚場さんで再利用していただいています。

 

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山形生まれの木材でつくり、おがくずも山形内で再利用されていて素敵です。次はいよいよ「100分の1ミリ」の切削加工工程でしょうか?

 

山岸:

はい。切削加工工程は別の特別室でやっています。特別室内も季節ごとに変動が無いように、温度と湿度を常に一定に保っています。

 

 

 

>:

すごい!全部で何台あるのですか?

 

山岸:

全部で42台ありますね。今でこそこれだけたくさんありますが、最初は1台からのスタートでした。この切削加工機はノートパソコンで制御して動かしていますが、そのプログラムも独自でゼロから作りました。木くずを吸うホースも洗濯機から拝借していて手作り感満載です(笑)。

 

>:

木の品目によって使用する加工機を変えているんですね。

 

 

山岸:

品目ごとに硬さの特性が違うため、「100分の1ミリ」単位で仕上がり寸法を調整しているんです。ここまで精度にこだわらないと、ブロックとして楽しく遊んでいただくことはできません。

 

 

山岸:

どうぞ、これが出来立ての「もくロック」です。

 

◇◇◇◆

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これだけの工程を作られるまでに苦労も多かったのではないでしょうか?

 

 

山岸:

工程を作るのにトータルで1年半くらいはかかったでしょうか。やはり木は樹脂や金属と違って硬さが部分ごとに異なるため、寸法精度を高めるのにとても苦労しました。

 

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どういったところを工夫されたのでしょうか?

 

山岸:

たとえば、木材の固定方法では「挟む」方式を採用しています。木工業界では「吸着」方式で固定するケースが一般的なのですが、それでは寸法が安定しなかったため「挟む」方式を取り入れました。

 

 

山岸:

あとは削る順番にもノウハウが詰まっています。寸法が安定する絶妙な削り順を研究の末開発しています。

 

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すさまじい手間ひまと技術が「もくロック」にはかけられていたのですね。

 

山岸:

これだけ手間と技術が必要だからこそ、これまで「もくロック」のような木製ブロックが無かったのだと思います。木工加工に経験の無かった我々だからこそ、この商品に無心でチャレンジすることができたのかもしれませんね。

 

◇◇◇◇

「もくロック」の製造現場、いかがでしたでしょうか?木材を「100分の1ミリ」の精度で加工する工場には、想像以上に地道な作業と、高い技術力が隠されていました。

 

次回、代表の桒原さんに「もくロック」の今後の展望について語っていただきます。

 

To be continued <第3回>99%が輸入品の木製玩具業界で「メイドインジャパン」の技術力を証明する

 

 

取材・文・写真:小縣拓馬

 

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